年間安定したコンディショニングでゴルフをするには、効率よく疲労を回復させることが大切です。その為に、「バランスの良い食事」は欠かせませんが、それと同じぐらい疲労回復には気を付けたいもの。そこで、ゴルファーの皆さんが疲労回復を考えるにあたり、おさえておきたい3つのポイントをご紹介します。
- 抗酸化作用が豊富な食材を摂る
- 内臓疲労の回復
- 質のよい睡眠
抗酸化作用が豊富な食材を摂る
過度な運動をすると筋肉中に乳酸がたまります。以前は、筋肉中にたまった乳酸が疲労を起こしているという考えでしたが、最近では活性酸素が疲労の原因といわれています。つまり、過度なストレスや激しい運動で発生した過剰な活性酸素により、細胞機能低下や細胞損傷が生じ、疲労感や身体的パフォーマンス低下などの疲労症状が発生するという考えです。この活性酸素を除去する為には、抗酸化物質が有用と考えられ、抗酸化作用が豊富な食材には疲労回復効果が期待できると言われています。
上記に加えて、パフォーマンス向上を目的としたコンディショニング作りとして、体内炎症にも気をつけたいものです。炎症とは、外傷・細菌の侵入・薬物等の作用に対して、体が危険を察知し、傷ついた細胞を治そうとする結果現れる「防御反応」です。運動時に捻挫をして足が腫れたりする症状もこの防御反応です。炎症の期間は、怪我をした時から怪我が治る時までですが、炎症の期間に終わりがないような場合、つまり炎症が不要な状況なのに長期にわたり継続する状態になると、あらゆる症状が現れます。これを慢性的炎症といいます。炎症が慢性的になる原因は様々ですが、原因のひとつとして「生活環境」が挙げられます。食生活、ストレス、運動不足、過度な運動(オーバートレーニング・適切なリカバリーが無い)、不眠・睡眠不足などが、慢性的な炎症の原因になると考えられます。慢性炎症の症状として典型的なものとして、関節痛・消化器の不調・高血圧・高血糖・肥満等が挙げられます。
体内炎症をコントロールするには、上記の原因をなくすことが一番ですが、抗酸化作用が豊富な栄養素(ビタミンA・C・E・セレニウム・ルチン・リコピン・βカロチン・ファイトケミカル(フラボノイド・アントシアンニン・ カロテノイド))を含む食材を摂ることでも改善が期待できます。そこで活用したいのが「レインボーカラーチェック」です。(詳しくは、「コンディショニング作りに欠かせない食事のポイント」を参照してください)
内臓疲労の回復
トレーニングや試合後は、筋肉のダメージのほか内臓もダメージを受けます。内臓疲労が起きると、やる気がおきない・体がだるくなる・寝ても疲れがとれない・お腹の不調・パフォーマンスの低下と様々な症状が起きます。その理由は、血流。安静時には、全体の約40%の血流が内臓にありますが、運動時には5%減り、筋肉に血流が優先的に行ってしまうのです。その結果、内臓への血流が減り、活動するための栄養素も酸素も少なくなります。
運動時には、発汗により水分が失われることから、運動時の水分補給が血流改善・内臓疲労の回復に期待できます。しかし、それ以上に大切なのは「バランスのよい食事を摂る」「内臓が疲れていると感じた時は消化の良いメニューに変更する」「肝臓と腸を休ませる」等、内臓への負担に考慮した食べ方が大切です。また、腸内環境を整えることも心がけましょう。便通がスムーズでないと、不快症状が生じます。その結果、パフォーマンスに影響を与えるだけでなく、便秘が続くことで腸内環境が悪化、悪玉菌により有害物質が発生し、それが腸から再吸収され、血中に溶けこみ、最終的にその有害物質をろ過する肝臓に負担がかかってしまいます。
腸内環境を整えるためには、プロバイオティクス(代表的なものとしてオリゴ糖や食物繊維)とプレバイオティクス(代表的なものとしてケファ・テンペ・キムチ・ヨーグルト・味噌)を意識した腸活を心がけたいものです。
質の良い睡眠
疲労回復には、質の良い睡眠は欠かせません。睡眠の乱れの要因は様々ですが、自律神経の乱れもその1つです。ストレスや激しい運動は、自律神経に影響を与えます。また、休息すべき時間帯に休息できなくなると、体内時計のリズムが崩れ、自律神経のバランスを崩し始めます。極力、体内リズムと生活リズムのズレをなくし、リラクゼーションを取り入れて質のよい睡眠を心がけたいものです。