ゴルファーにとって、年間安定したコンディショニングでプレーができることはとても大切です。特に夏から秋口にかけて開催される大会は、その年の結果を表すだけではなく、翌年につながる大切なものです。そこに向けたコンディショニング作りは、日ごろの食生活により左右されるため、「バランスの良い食事」は欠かせないもの。バランスの良い食事とは、「栄養のバランスがとれた、主食・主菜・副菜を摂る食事」と言われています。しかし、実践しようと思っても、具体的に何をどれぐらい食べて良いのか、何に気をつければ良いのか悩んでしまうと思います。そこで、ゴルファーの皆さんがバランスの良い食事を考えるにあたり、おさえておきたい3つのポイントをご紹介します。
- 糖質は重要なエネルギー源
- カロリーの質を考える
- レインボーカラーチェック
糖質は重要なエネルギー源
まず、コンディショニングを整えるためには、三大栄養素である糖質・脂質・タンパク質を適切に摂ることが重要です。そこでおさえておきたいのが「糖質は重要なエネルギー源」ということ。糖質が不足すると、疲れやすくなる・集中できなくなる・力がなくなる他、脳の活動にも影響がでてきます。また、糖質がなくなるとタンパク質がエネルギー源となりますし、脂質も重要なエネルギー源です。脂質に対する間違った認識もパフォーマンスの低下につながります。
カロリーの質を考える
次におさえておきたいことは、「カロリーの質」。実はカロリーには、「良いカロリー」と「悪いカロリー」という考え方があることをご存知でしょうか? 私達は、「ダイエット中だから低カロリーのものを食べれば大丈夫」と摂取カロリーに注目をしてしまい、そのカロリーの中身は何か?ということを忘れがちです。 例えば、「100キロカロリーのニンジン」と「100キロカロリーの飴」を比較した場合、同じ100キロカロリーでも、そこから得られる栄養素は異なります。この考え方は、脂質についても同じです。私たちの健康維持には、良質の油が必要です。オリーブオイル・ココナッツオイル・えごま油など、 積極的に摂りたい栄養素が含まれているオイルであれば、適量を摂ることは問題ないとされています。
レインボーカラーチェック
最後におさえておきたいのは、ビタミン・食物繊維・ファイトケミカルです。ファイトケミカルとは、主に野菜・果物に含まれている成分。三大栄養素である糖質・タンパク質・脂質に、ビタミン・ミネラルを加えたものが五大栄養素。さらに、食物繊維を含めたものは六大栄養素と言われていますが、ファイトケミケミカルは、第7の栄養素として注目されています。
疲労のおおもとは活性酸素です。ストレスや激しい運動で必要以上に発生した活性酸素は、細胞や血管を傷つけます。ビタミンやファイトケミカルには、活性酸素から身体を防御する抗酸化作用があります。また、食物繊維は腸内環境を整えるために必要ですので、これらを含む食材を積極的に摂ることがコンディショニング作りには欠かせません。そこで役立つのが「レインボーカラーチェック」です。
レインボーカラーチェックとは、適切な量の野菜・果物を摂れているかを色で確認できるチェック方法です。この方法は、オーストラリアやアメリカでは、食育や医療現場などで用いられています。海外のアスリートの間では、コンディショニングを整えるためにファイトケミカルが豊富な植物性食(plant based food)が注目されています。野菜・果物には、ビタミン・食物繊維・ファイトケミカルが多く含まれています。レインボーカラーチェックを用いて、普段食べている食事をチェックし、勝って終わるシーズンに向けてコンディショニングを整えてみてはいかがでしょうか?
【レインポーカラー表】(EAT A RAINBOW! -Nutrition Australiaを参考に作図)色 | 代表的な成分 | 主な食材 |
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赤 | リコピン | トマト、カプシコーン(赤)、ラディッシュ、イチゴ、スイカ、ルバーブ、チェリー、赤ブドウ、赤いリンゴ、ラズベリー |
紫・青 | アントシアニン | ビートルート、赤キャベツ、ナス、アスパラガス、ブラックベリー、ブルーベリー、紫ブドウ、プラム |
オレンジ・黄色 | βカロテン | 人参、ロックメロン、レモン、サツマイモ、カボチャ、パイナップル、マンゴー、コーン、オレンジ、ピーチ、アプリコット、グレープフルーツ |
緑 | カロテノイド、インドール、サポニン | ほうれん草、アスパラガス、アボカド、ブロッコリー、グリーンピース、緑リンゴ、緑ブドウ、ライム、キウイフルーツ、レタス、キャベツ、セロリ、キュウリ |
茶色・白 | アリシン | カリフラワー、マッシュルーム、ガーリック、バナナ、ジャガイモ、玉ねぎ、しょうが、デーツ、カブ |