トータルゴルフフィットネス 管理栄養士の中島です。
今回は生体内で最も多く存在するミネラル『カルシウム』に焦点を当てます。
「カルシウムとは?」「どの位必要なの?」これらについて解説します!
カルシウムの役割とは?
カルシウムと聞いて、まず『骨』を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。カルシウムは体内で体重の1〜2%存在します。つまり、体重50Kgでは約1Kgものカルシウムが体内に存在します。そしてこの多くは骨や歯などの組織を構成します。また筋肉の収縮にも関わることから、ゴルフを含めた全てスポーツパフォーマンスを維持する上で欠かすことができません。
カルシウムが過剰になると?
カルシウムを過剰に摂取すると、便秘や泌尿器系の結石、高カルシウム血症などを引き起こすリスクが上昇します。またカルシウムの特徴として、その他のミネラルの吸収障害を引き起こす可能性が挙げられます。偏った食事や、過剰なサプリメントの摂取時には注意が必要です。
カルシウムが不足すると?
カルシウムが不足すると、骨折や腰痛、骨粗鬆症のリスクが増大します。
特に幼児ではカルシウム不足の影響が大きく、骨の成長障害を引き起こします。また高齢期の女性も注意が必要であり、閉経後は骨粗鬆症のリスクが増大するため、積極的なカルシウムの摂取が必要です。
適切な摂取量とは?
食事摂取基準2020では、カルシウムの推奨量(30歳以上)を男性750mg、女性650㎎としています。上限量は男女共に2,500mgですので、比較的許容量の多い栄養素と言えます。
あなたは足りている?
日本人の平均摂取量(1日あたり)は約500gです。よって先程の推奨量と比較すると、男女共に不足傾向にあると言えます。
食品群別では乳類からの摂取が最も多くみられますが、成人における牛乳の摂取については、昨今賛否が分かれています。アジア人、特に日本人は乳糖不耐の人口が非常に多いため、牛乳を飲むと腹痛や下痢を訴える方が多く存在します。また牛乳はマグネシウムの含有量が少ないことから、体内におけるカルシウムの吸収率はそこまで高くないという意見もあります。さらに量によっては骨に悪影響を及ぼすのではないか、といった様々な文献が見受けられます。同じ乳製品であってもヨーグルトやチーズは食べられるという方は多いため、それぞれが身体に合った食品を探すことが重要です。
乳製品以外にもカルシウムの豊富な食材は存在します。日本人にとって馴染みの深い和食においては、葉物野菜や豆類が挙げられます。
一つの食品に偏ることなく、毎日の食事でカルシウムを豊富に含む食品をあと1品追加する工夫が必要と言えます。
ゴルファーとカルシウムの関係とは?
ゴルファーの皆様にとって、カルシウムはなぜ必要なのでしょうか。
全てのゴルファーにとって、健康な『骨』を維持し、エイジシュートを目指すこと、歩いてゴルフを続けること、これらは重要な目標の一つとなるのではないでしょうか。
これらを達成する為に主に重要となる栄養素が、特に『カルシウム』と『ビタミンD』です。ビタミンDは紫外線に当たることにより皮膚で生成することができます。日に当たることの多いゴルファーにとって、特に積極的に食事から摂りたい栄養素が『カルシウム』と言えます。
カルシウムは何で摂る?
カルシウムは主に魚介類や海藻類、乳類に多く含まれます。
先述した通り、乳製品はそれぞれ個人にとって合う・合わない、のある食材です。またカルシウムを豊富に含むと記載した野菜や豆類においても、カルシウムの吸収を阻害するシュウ酸や食物繊維も含むという一面もあります。
その一方、カルシウムの吸収を促進する栄養素としてはビタミンDが挙げられます。
この様に、どの食材も一長一短があり、食材に含まれるカルシウム全てを体内で使うことは不可能と言えます。一つの食材に偏ることなく様々な食材を共に摂取することで、カルシウムの吸収を促進する栄養素も補うことできます。自身の食生活に取り入れやすい食材の種類を増やしていきましょう!
それぞれのミネラルにおける目標値には個人差があり、個々の目標や身体の状態によって適正な値は変化します。
TGFでは、管理栄養士の中島が、皆様それぞれに適した摂取量を提案させていただきます。是非館内でお声掛けください!
次回は『カリウム』に焦点を当てて解説させていただきます!