スタッフコラム「ゴルフボディを作る」

第273回 パッティングで大事なのは打ち出し方向

皆さんこんにちは。パッティングストローク分析を担当している遠藤です。
今月は、現在私がTGFで行っているパッティングストローク分析を皆さんに分かりやすく説明していきたいと思います。

今回のテーマは「パッティングで大事なのは打ち出し方向」です。

パッティングストローク分析をしていて重要なのは、綺麗に打つことではなく、打ちたい方向に真っ直ぐに打ち出せることです。

打ち出し方向は基本的に当たるときのフェースの向きと、クラブ軌道で決まります(ちょっと簡単に言い過ぎかもしれませんが…)ので、打つ時のフェースローテーションで変わることはありません。

世の中PING型だからローテーションをしたほうがいいとか、フェースバランスだから真っ直ぐに動かさなければならないという話が広まりすぎて困ることがあります。

PING型でローテーションがフェースバランスのパターよりも大きくなることは、そのヘッドの性質で正しく動いた結果であって、そうしようと思ってやるものではありません。もちろんフェースバランスのパターでローテーションが小さくなることも同様の原理です。

良いストロークは安定して毎回同じ動きができるということになります。SAM PuttLab で言うとCONSISTENCY(再現性)の値が高くなることです。ではその再現性が高く動くためにどうしたらいいかを考えることが先決です。

人それぞれ打ち方の癖はあるのですが、それを活かす方法を選ぶこともあります。それはパッティングの基本や理想とは違うやり方かもしれませんが、再現性があがるやり方なのであれば、それを活かすのが良いと自分は思っています。

話がそれましたが、ボールをカップに入れるためにフェースの向きとクラブ軌道をどう組み合わせたらその方向に打ち出せるかを知ることができれば、その方法は見つけやすいです。

例えばこんなストロークだと、平均値だけで見るとフェースの向きが0.1度クローズ、軌道が0.5度インサイドアウトになっているのでつじつまが合っています。

今度こちらになるとフェースの向きは同じ0.1度オープンですが、軌道が0.9度アウトサイドインになっており、さらに毎回アウトサイドインになっています。アウトサイドインの軌道が毎回だと、フェースの向きは左を向いてしまうとひっかけになってしまいます。上の数値を見ると5打目の1.23度左向きの時は間違いなく左方向に打ち出してしまっているはずです。

この方(自分ですが…)の場合この一回がミスパットということになります。これをいかになくしていくかがこの状況を分かっていればやりやすくなります。

それはテークバックの方向の意識だったり、フォロースルーを出す方向のイメージだったりします。またボールの位置、ハンドファーストの度合い、さらにはパターの “すわり” によっても変わってきます。このアドレスのときの手の位置とフェースの向きは密接に関係していて、ここが合わせにくいとアドレスも正しくできなくなります。

ですので、アイアンなどではライ角が注目されていますが、パターでもかなり重要な要素になってきます。合わないライ角でパターに合わせてアドレスしてしまう。結果しっかり自分の手首の角度をキープできない握りになってしまいます。

その結果インパクトのフェースの向きや、クラブ軌道に影響を与えることになってしまいますので注意が必要です。

トータルゴルフフィットネスでは皆さんのストロークを分析し、それに合ったスペックに調整するサービスも行っています。ぜひお声をかけてください。

ゴルフスイングの改善やそれに必要な身体の動かし方をもっと具体的に知りたい方、今のスイングからステップアップしたい方に、トータルゴルフフィットネスのゴルフボディチェックをお勧めします。トレーナーがマンツーマンでゴルフに必要な身体の動きをチェック(12項目以上)、さらにゴルフコーチによるスイング分析を行って、身体とスイングの両方から課題を洗い出し、的確なアドバイスをさせて頂きます。
遠藤 仁史
遠藤 仁史

1965年生まれ。埼玉県出身。北里大学を卒業後、北里研究所にて研究員として働きながらゴルフ/ゴルフクラブに関する知識を蓄積。2010年に ACTEK GOLFを東神田にオープンし、様々なフィッティングを創造しながら活動を始める。自身もアマチュアゴルファーとして試合に出場。競技ゴルファーとしての見地を活かし、様々なレベルのアマチュアゴルファーにゴルフクラブの提案、スイングの分析を行う。特にパッティングに関しては SAM PuttLab を駆使し、パッティングデータを提供。また使い手に合わせたパターの調整なども行う。パターのコレクションは PING の古いパターを中心に300本以上。パター収集家、評論家としても活動中。

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