スタッフコラム「ゴルフボディを作る」

第200回 ゴルフスイングは正拳突きがヒントです

こんにちは! ゴルフコーチの赤坂です。

前回に引き続き、今回も上半身の使い方を説明していきます。

テーマは、一昔前に言われていた感覚的要素の強いゴルフ理論を、映像とデータ解析が進んでいる今の時代なりの見解や新しい認識を4回に渡ってお伝えしていきたいと思います。

内容としては「体を回せ」「腰を切れ」「右肩をさげないように」「膝の高さを変えずにスイング」、、、、、などの、体を地面に対して横に回していくスイングから脱却して、体を縦に使っていくことを目的とした内容になっています。

水平回転では、体が起きやすく軸ブレによるミート率の低下や、トップポジションにおいて腰も回りすぎるため、適切な捻転差が得られず飛距離の低下にも影響してきます。
また、あらゆるゴルファーの悩みでもある手元の浮きや体の開き、ヘッドアップに関しても水平回転が原因です。

ボールは地面にあり、骨盤を含めた上半身は前傾姿勢をとっています。
野球やテニスのように水平ではなく、ゴルフでは力のベクトルを地面方向に伝えていきましょう!

今回は昔よく聞いたことのあるレッスンキーワード、「右肩を下げないようにスイング」などの地面に対して水平に体を動かすことについて考えてみましょう。

1回目でもお伝えしましたが、ゴルフスイングには前傾角度を維持してスイングするためにも側屈(サイドベント)という動きが必要になってきます。

プロの選手が自分は体を水平に回すと言っているのをたまに見かけますが、あれは本人の感覚としての水平です。強い選手でホントに水平に回している選手はいません。

スイング時に前傾姿勢から回転動作(ローテーション)だけを行うと、重心がかかと寄りに流れてしまい、バランスを保てずに体が起きてしまう仕組みです。 ゴルフスイングの回転動作には前傾姿勢をキープするために、必ず側屈が必要になってきます。

では、昔言われていたレッスンキーワードの右肩を下げない、とはどういうときに使われるのかというと、ダフリのミスが出たときではないでしょうか?
たしかに、右肩が下がって地面に近づくとダフリそうなイメージがありますよね。

ですが、この写真を見てください。

右肩が下がることによるダフリを解明すると、腕の振り遅れにあります。
ダウンスイングで腕と体がマッチングせず、振り遅れた状態で右肩が地面に近づくと、後方から見たスイングプレーンに対しクラブがアンダーポジションに入り、ダフリを誘発する形です。

なので、右肩を地面方向に近づけることがダフリそうで怖い!と、言う方は、まず自分が振り遅れるタイプなのかどうかを把握してください。

チェックポイントとしては、ダウンスイング時の右肘が背中側に降りていると基本的に遅れています。
体の全面側、もしくは右腹斜筋のあたりまでは同調しているといえます。

腕と体の運動量が適切であれば同調しやすいですが、この話を掘り下げると本題とは違う文章になっていきますので、本題(縦の運動動作)の話に戻させていただきます。汗

ある程度、腕と体が同調していることが前提ですが、
前傾姿勢の背骨を中心に肩は地面に対して水平回転(横)ではなく、地面に向かって前後(縦)させていきましょう。

空手割をイメージすると分かりやすいですね、テイクバックでは体の左サイドが地面に近づき、ダウンスイングからインパクトでは右サイドが地面へ近づき、右手は地面方向へエネルギーを放出します。

スイングでは軸を中心とした回転エネルギーに加え、この空手割りの動作に見られる上下動を上手く使うことで、より多くのパワーソース(動力源)を得ることができます。

腕の使い方として、テイクバックでは上方向へねじり上げます。ダウンスイングでは右腕を地面方向へ押し下げるように使っていきます。
この時に、右腕前腕を回内(内側へ回す)させながら地面を突くことがポイントです。

他のスポーツでも、手先や道具の末端を速く振ろうとすると、この動きになります。
空手やボクシングでの正拳突きやストレートパンチを打つ時、野球の投手が直球を投げる場合も、リリースの瞬間に回内をさせ力強いボールを投げ込みます。
また、道具を使うテニスのフラットサーブでもラケットを持つ腕が回旋します。

世界最新のメソッドで考えると、昨年の全英オープンでメジャー初優勝を遂げ、オリンピックでも銀メダルの活躍を見せた、ヘンリク・ステンソンを指導する、ピート・コーウェン氏も上に捻じり上げ、下に力を使っていく「スパイラル」の動きが効率良くエネルギーを出すことができると提唱しています。

前回に引き続き、今回も上から下へと体や腕を使っていく縦の動きをお伝えしていきました。

最初の議題である、右肩の使い方ですが、軸を中心としたなかで積極的に地面方向へ下げていって構いません。
右肩が高い位置でスイングすると、パワーのロスだけでなく、体が起きやすくなるため手元が浮き、地面にあるボールをダウンブローに打ち抜くことはできません。

次回からは下半身の動作に、視点を置いてお伝えしていきます。

まとめ

  • 右肩は下げていい(前傾に対して地面方向へ)
  • 腕の使い方 地面に向かって正拳突き(右前腕を捻じる)

ゴルフスイングの改善やそれに必要な身体の動かし方をもっと具体的に知りたい方、今のスイングからステップアップしたい方に、トータルゴルフフィットネスのゴルフボディチェックをお勧めします。トレーナーがマンツーマンでゴルフに必要な身体の動きをチェック(12項目以上)、さらにゴルフコーチによるスイング分析を行って、身体とスイングの両方から課題を洗い出し、的確なアドバイスをさせて頂きます。
赤坂 友昭
赤坂 友昭

福岡県出身。JGTOツアーカード保有。
12歳の時にゴルフ練習場へ行きゴルフを始める。ジュニアの試合や日刊アマチュア全日本選手権などに出場して腕を磨き、アマチュア時代には福岡県の強化選手に選ばれるなど活躍。
現在はクラブの特性を活かす道具の使い方、運動力学による効率の良い体の使い方、運動学習を基にした指導法をベースに物理的な側面からレッスン活動を行っている。

キーワード

の記事