先週は、身体のどの部分をどう使うのか?エネルギーはどう伝わっているのかを、ざっくりですがお伝えしました。
今週は、頭のエクササイズに近いかもしれませんが、言葉についてと姿勢バランスの取り方についてお話しさせていただきたいと思います。
この10年間私は、『何事においても上手く人(結果を出す人)となかなか上手くいかない人(結果が出せない人)』ということをテーマに、メンタルの研究もしてきました。
今日は、そのなかで結果を出していく為に、最も重要であり大切にしていることについてお話ししていきたいと思います。
先週までのボディマップと同様で、『言葉』もコーチとクライアントさんが共通の認識を持っていることが重要です。
私の場合は、どんな言葉を使うか?というよりも、私が発するその言葉自体の『意味』を、クライアントの方と共通の意味にするよう心掛けております。
それを実践してくださっている方々は、確実にスイングをよくし結果を出されていくという話です。
【姿勢バランスをとる】
巷ではよく理想の姿勢というものがあり、これまで私も特に姿勢についてフォーカスしてきましたし、非常に重視しています。
しかし、理想の姿勢を創るためには、時にどこかの筋肉を緊張させたりしていた場合があったり、その姿勢を作れるようになるまで時間が掛かることもあります。
また、アドレス時についても前回お話ししたように、ニュートラルが定義です。つまりどこの筋肉も緊張のない状態を是非作ってきたいのです。
なので長期的目線での姿勢づくり、こちらは多くの専門家が説明されているので、私は、短期中期的な目線でのバランスをとるということについてお話ししたいと思います。
私たち人間の二足歩行の為の背中のS字カーブは、ゴルフの回旋運動時の妨げとなり、その為、ゴルフアドレスでの理想は、股関節からの屈曲による骨盤前傾姿勢と背骨を長くエロンゲーションという体勢が取れることが理想です。
このことをお伝えし、そのようにアドレスしてもらうと、数名の方に『それは胸を張るという表現であっていますか?』『背中をそらすで良いか?』と聞かれたことがあったりしました。
胸を張ることや反らすことと、背骨の椎骨という一つ一つを長く真っ直ぐにするというのは、全く違う動作になることを理解してもらうのに苦戦します。
しかし、よく考えてみてください。
胸を張った状態は肩甲骨が寄りすぎ、筋肉が緊張にさらされ回旋動作がしにくく、広背筋が連動せず、小さな腕の筋肉に頼ることになります。そして胸郭の部分ではなく腰椎が捻じれてしまい、コアがすぐに抜けるのがわかると思います。
アマチュアゴルファーの皆さんが本当に気をつけるべきは、一生懸命だからこそ自分の言葉で理解しようとしないことだと思います。
多くの方が『前も同じようなことを言われた』『みんな同じようなことを言う』と言ったりされます。
気がついて頂きたいのは、『同じよう』という曖昧さが邪魔しているから、結果に繋がりにくいということです。
言葉の意味は、『なるべく同じ認識に』出来るよう掘り下げてみてください。
アマチュアゴルファーの皆さんがレッスンやトレーニングを受ける際に、コーチやトレーナーの言葉の意味を、そのまま受け止め共通のものとして掘り下げ、それをそのまま体現出来るよう、ただ落とし込んでいくということが出来れば、自ずと結果が出ていると思います。
それでは最終週は、日頃デスクワークの方も多いので、椅子に座る際の姿勢バランスの取り方の重要なポイントをマッピングして頂き、終わりとさせていただきたいと思います。
私たちの頭の重さは4〜5kgと言われています。良い姿勢を保とうとするには、この頭の重さをどこで支えるかが重要となり、上手に支えなければなりません。
それでは、背骨の認識の確認です。
こちらをご覧ください。
多くの方がこの赤く示した部分を背中の表面的に感じられる部分が背骨だと思っていますが、実はこの部分は、背骨(脊柱)の突起部分です。
色に示した部分が脊柱になりますので、リマッピングしてください。
頭の重さを上手に分散させバランスをとるには、まずこの脊柱の中心に頭を乗せることをイメージしてください。
乗せ方のポイントは以下です。
顎は引かず、上の歯の部分を後ろに引くようにしましょう。
顎は頭蓋骨(頭)とは別です。
両耳の穴を通したように結んだ線と、前歯の上あたり鼻の上あたりの奥、 そこが頭と首の骨、つまり頸椎と頭蓋骨が出会う場所を、環椎後頭関節(AOジョイント)と言い、頸椎の一番上はこの部分になるため、ここに頭を乗せたいのです。
脊柱の中心部に頭が乗ると頭の重さが脊柱に分散され、肩周り・背中の張りのある方は楽な状態を感じられると思います。
次に座り方です。
股関節から前傾させて着座しましょう。
股関節を前傾させて膝関節を曲げます。
膝関節についても、お皿部分が膝だと思っている方がいらっしゃるので、リマッピングしてみてください。
そして坐骨で座ります。
坐骨は、ちょうど座った時にお尻の下に手を入れると刺さるように感じる以下の部分です。
①は仙骨の下の尾てい骨です。尾てい骨で支えてしまうのは危険です。
②の部分が坐骨です。
このような体勢で座ることができると、坐骨から上半身の重さを分散させ、軽い状態で姿勢バランスをとり続けることができます。
いかがでしたでしょうか?
4週に渡りお付き合い有難うございました。
私たちが生まれた瞬間から息を引き取るその瞬間まで一生を共にするのが身体です。
私たちは、この身体を乗りこなし、仕事にしろゴルフにしろ、またその他のパフォーマンスを有意義に展開することを考えた時、脳内にあるこの身体地図=ボディマップを精巧なものにしていくことから始める、ということの重要性に興味を持っていただけたら幸いです。