トータルゴルフフィットネス 管理栄養士兼トレーナーの中島です。
今回もお客様からのご質問にお答えします。
「夜に食べることがおすすめの食品はあるの?」です。
食事は1日に3食召し上がる方が多いかと思いますが、時間と食品を意識している方は少ないのではないでしょうか。
食品によって食べて欲しいタイミングがあります。
夜に食べるべき食品を一緒に考えていきましょう!
目次
『キウイフルーツ』
1.キウイフルーツと睡眠
寝る前にどうしてもお腹が空いた、、
そんな時は『キウイフルーツ』を選びましょう!
キウイフルーツと睡眠の質に関して調べた研究があります。
睡眠の質が良い方、悪い方、このどちらも対象として、夕食にキウイフルーツを摂りました。その結果、睡眠の質に関係なく、朝の眠気や覚醒度が改善されました(※1)。では、キウイフルーツの何が要因だったのでしょう。研究の結果、尿中のセロトニン濃度が増えていました。このことが寝起きが改善した要因として考えられます。
2.セロトニンとは?
セロトニンは『幸せホルモン』と呼ばれます。ヒトの脳内で生成される神経伝達物質です。気分の安定やストレスの軽減などのメンタルに関与します。また、体内時計の調整や、睡眠の質にも関わることが分かっています。
このセロトニンは朝に摂ることで、夜に「メラトニン」というホルモンに変換されます。メラトニンは自然な眠気を誘発することで、睡眠の質を向上させます。また十分にセロトニンが分泌されることでリラックスする効果もあります。このことが研究において被験者の寝起きを改善したと考えられます。
キウイフルーツに含まれるのはセロトニンの前駆体であるトリプトファンです。その他、キウイフルーツに含まれるビタミンCや食物繊維もそれぞれが睡眠の改善に関与した可能性があります。
『低カフェイン』の緑茶
1.『カフェイン』と睡眠
カフェインは睡眠に様々な影響を与えることが分かっています。体内でアデノシンと呼ばれる眠気を誘発する成分を阻害したり、身体を覚醒状態にする交感神経を刺激したりします。このことが、寝つきを悪くし、深い睡眠の時間を減少させます。寝る前のカフェインは避けよう、と言われる要因ですね。
2.『低カフェインの緑茶』と睡眠
お茶が好きで食事の時も飲まれる方は多いかと思います。しかし、緑茶を筆頭に、お茶にはカフェインが含まれます。よって、カフェインを多く含む飲料は、午後以降に摂ると睡眠を妨げることが予測されます。
一方で、緑茶には、テアニンと呼ばれるストレス軽減に関わる栄養素も含まれます。この成分は、睡眠に良い影響がありそうです。これら関連を調べるため、低カフェインの緑茶と睡眠に関する研究が行われました。低カフェインの緑茶を中年者(50歳前後)に飲んでもらい、睡眠の質への影響を調べました。その結果、低カフェインの緑茶を飲んだグループは睡眠の質が良い、という結果が得られました(※2)。
最近は低カフェインの商品が多く販売されています。時間帯によって、適切なものを摂ることができると良いですね。
それぞれの栄養素における目標値には個人差があり、個々の目標や身体の状態によって適正値は変化します。 TGFでは管理栄養士の中島が、皆様それぞれに適した摂取量をご提案させていただきます。是非館内またはホームページを含む各種SNS等からご相談ください。
引き続き様々な観点から、ゴルファーの為の栄養学についてご紹介させていただきます!
【参考文献】
※1:Kanon, A., Giezenaar, C., Roy, N., McNabb, W., & Henare, S. (2023). Acute effects of fresh versus dried Hayward green kiwifruit on sleep quality, mood, and sleep-related urinary metabolites in healthy young men with good and poor sleep quality. Frontiers in Nutrition, 10. https://doi.org/10.3389/fnut.2023.1079609.
※2:Unno, K., Noda, S., Kawasaki, Y., Yamada, H., Morita, A., Iguchi, K., & Nakamura, Y. (2017). Reduced Stress and Improved Sleep Quality Caused by Green Tea Are Associated with a Reduced Caffeine Content. Nutrients, 9. https://doi.org/10.3390/nu9070777.