トータルゴルフフィットネス 管理栄養士兼トレーナーの中島です。
今回は『昼食に何を食べるか』についてです。
仕事の合間、ラウンドのハーフ終了後、皆さんは何を食べていますか?
「100点の食事は難しいけど合格点の食事がしたい!」というお客様からのリクエストにお答えし、
時短で70点とれる昼食について解説します!
目次
食事に『完璧』を求めない!

『ジュース』を避けよう!
まずこれだけは避けて欲しいこと、それはジュース(清涼飲料水)を避けることです。ジュースのデメリットはいくつもありますが、一つは体重増加との関連性が高いことです。
皆さんの身近にあるコーラ(500ml)を例にとると、角砂糖が14個も含まれています!常温の水に砂糖をこれ程溶かしたら、甘過ぎて飲めません。しかし、清涼飲料水は冷えた状態で飲むことを想定しています。ヒトは冷たいものを口にすると、甘さを感じにくくなります。よって、これ程多くの砂糖を違和感なく摂ることができるのです。
ジュースの摂取と『体重増加』
観察研究ではありますが、1日1杯のソフトドリンクを追加で飲み、体重の変動を観察した研究があります。この結果、習慣的にジュースを飲むヒトは、運動の量の多さに関係なく、体重が増加するという結果が見られました(※1)。体重の増加量は微々たるものでしたが、運動量では体重増加をカバーできなかった点が驚きです。
皆さんがゴルフをする上で、適正な体重を維持することは重要です。スイングのキレやラウンド後半の疲れが気になる方は、ご自身の体重における適正値をオーバーしているかもしれません。
ジュースの摂取と『メンタルヘルス』
さらに、ジュースはメンタルヘルスにも影響があります。オーストラリアでソフトドリンクの摂取量と精神衛生上の問題について観察研究が行われました。この結果、うつ病やストレス関連の疾患に影響を及ぼすことが分かりました(※2)。卵が先か、にわとりが先か、まだ分からないことも多い分野ですが、砂糖の多く入ったジュースは、美味しいと感じる満足感以外に良いことは少ないようです。
今回はジュースを例に挙げましたが、これはお菓子(ポテトチップスやドーナツなど)も同様です。これらはできる限り食べる回数を減らすことが、70点の食事に繋がります。
炭水化物(糖質)に偏らない!
スポーツパフォーマンスを高める上で『糖質』の補給は重要です。しかし、糖質だけに偏った昼食はおすすめできません。ラーメンだけ、おにぎりやサンドイッチだけのランチになっている方は注意が必要です。
午後の仕事を始めると急に眠くなる、、、皆さんはこの様な経験がありませんか?この原因は、糖質に偏った食事を行うことによる急激な血糖値の乱高下にあります。急上昇した血糖値は、時間の経過によって急降下します。この時、消化器官に血流が集中し、脳に血流が回らなくなります。よって、眠気やぼーっとした感覚が引き起こされます。午後のパフォーマンスを維持する為にも、食事はバランスよくとりましょう。
ポイントはたんぱく質源を摂ることです。無理に料理をする必要はありません。チーズやヨーグルト、サラダチキンやサバ缶などがおすすめです。手軽にたんぱく質を摂れる食品は多くあります。これらを常にストックしておけると良いですね。
ラウンドの際には運動量が多くエネルギーが必要なので、糖質中心の食事は良いことです。しかし、ここでも一度に大量に食べるのは避けましょう。こまめに補食をはさむことがおすすめです。芋類(干し芋)や果物(ベリー類やバナナ)など、様々な種類の糖質を摂ることをおすすめします。
平日は『定食』、休日は『分食』!
私のおすすめは、平日は定食タイプのものを選び、休日は分食することです。ここでの平日は仕事の日を、休日はラウンドすると仮定しています。
平日は昼食を1度だけ食べることになるので、定食タイプのものを選びましょう。鯖の味噌煮定食、豚の生姜焼き定食などがおすすめです。主食だけでなく、主菜や副菜、果物がついているものを選びましょう。
休日はお昼にどかっと食べることを避けましょう。豪華な食事が多くなり、アルコールを摂ることも多い休日こそ、分食がおすすめです。間食には、バナナや小さなおにぎり、ナッツ類、ゼリーなどがおすすめです。ホールの合間に補食として食べることで、お昼は腹半分にしましょう。レストランで何を選ぶかについては、下記のコラムを参考にしてください。
下記のコラムをぜひご参考ください!
何を食べるかよりも、何を食べないかが大切です。究極の食事を探すよりも、避けるべきものを決めましょう。これが、無理なく70点の食事をする近道です!
それぞれの栄養素における目標値には個人差があり、個々の目標や身体の状態によって適正値は変化します。 TGFでは管理栄養士の中島が、皆様それぞれに適した摂取量をご提案させていただきます。是非館内またはホームページを含む各種SNS等からご相談ください。
引き続き様々な観点から、ゴルファーの為の栄養学についてご紹介させていただきます!
参考文献
※1:González-Morales, R., Canto-Osorio, F., Stern, D., Sánchez-Romero, L., Torres-Ibarra, L., Hernández-López, R., Rivera-Paredez, B., Vidaña-Pérez, D., Ramírez-Palacios, P., Salmerón, J., Popkin, B., & Barrientos-Gutiérrez, T. (2020). Soft drink intake is associated with weight gain, regardless of physical activity levels: the health workers cohort study. The International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity, 17. https://doi.org/10.1186/s12966-020-00963-2.
※2:Shi, Z., Taylor, A., Wittert, G., Goldney, R., & Gill, T. (2010). Soft drink consumption and mental health problems among adults in Australia. Public Health Nutrition, 13, 1073 – 1079. https://doi.org/10.1017/S1368980009993132.